2018年夏活動2期目4日目
- 文学部OB 本行正実
- 2018年8月29日
- 読了時間: 5分
こんにちは、OB参加の本行です。ありがとうござます。
我が意に反して炎暑は居座り、大汗噴出の4日間でしたが、蜻蛉に慶応の森の多種多様な茸群、下向く向日葵、秋桜揺らす風などに、初秋の気配も漂ってきているようです。
南三陸の自然は、ある時は誇らかに、ある時はさりげなくその多彩な表情を見せてくれるので、いつも新たな発見に満ち満ちていて飽きませんし、実感できる楽しさです。
4日目の活動は、朝散歩で開始。二渡神社にお参りし「みんなのきりこ」の基となっている「きりこ」が祭られているのを確認しました。A2相当以上はあり、意外と大きいのに驚きつつ、しっかり根付いた伝統なのだと納得しました。

神社の裏から小藤浜へ降りて、遠望して岩礁に上がる水飛沫や穏やかな内湾を潮見。身近には裸足を幸い、波打ち際で遊ぶ約1名。朝散歩は、長清水周辺の変化・現状の確認と、悠久の時を感じさせてくれる貴重な時間です。継続して、ぜひたくさんの人にも味わってもらいたい魅力の一つです。

午前中は、戸倉の「西戸」地区の豆畑の草取り作業です。西戸は、現在は慶応の森となっている釣瓶山の山林を、「契約講」の里山として長年育んできたため、私たちに親しみを感じて下さっている方が多いのか、2011年の活動当初からも繋がりのある地区です。比較的平地が広く、農業に従事する人が多い集落だったようです。海には面していますが、集落から海面はよく見えない位置関係のため、津波では多くの方が逃げ遅れて犠牲になりました。
まずは、酷暑にもかかわらず供花も瑞々しい慰霊碑にお参りし、あずまやでプロジェクトの「ベンチ作り」班が制作したベンチでほっこりしていると、畑の持ち主、阿部たつ子さんの登場です。ご挨拶もそこそこに、お人柄からか、華やかな会話も弾んでいます。
私自身、たつ子さんには、2年にわたってGWの山菜摘みの活動でお世話になってきていますが、もともとは最初期の「観音講」への女子参加、防災倉庫のレンガ作り、農作業のお手伝い、慰霊碑周りの整備など、積み重ねた交流の中でも絆は深くなっている方です。
畑は里芋の畝、向日葵の列、滋賀(佐賀?)県から送られて移植を待つ桜の苗木の列、南瓜の区画などがあり、草をむしる豆畑は2アールほどでしょうか?10畝以上を数え、いっぱい奥まで続いて、肝心の豆の苗は雑草に埋もれてまったく見えません。畝になっているのと、たつ子さんが前に抜いたところの乾いた土壌から、かろうじてかわいい苗がちろちろと生えているので、完成形は判りました。

簡単そうに見えましたがさにあらず、炎天下の重労働となりました。
イヌビエか、チガヤか、オヒシバか、剣様の葉を鋭く上方に伸ばし、根は深く蔓延っています。ただ抜くのも力がかかって大変なのに、施肥を狙ってか苗の付近に密集するタチの悪さです、苗を傷つけぬよう雑草と選り分けるのにも一苦労。地べたを這う茎様の葉もあり引き抜くには慎重を要します。6人が這いつくばって、少しづつ見える苗が増えていきます。
遠くでは、覚えたての草刈り機を駆って、わだちの草を豪快に退治しているメンバーも見えます。長時間の駆動で、腕も肩もパンパンになっているはずです。
たつ子さんのご配慮で、甘い西瓜での休憩も交えながら、振り返るとみるみる苗だけの地面が増えてきて、8・9割終わったところで時間終了に。個人的には熱中症の寸前という体たらく、セーフで助かったのが実感です。
たつ子さんの話では、復興事業により整備された農業用地は、地権住民に割り当てられ、牧草地、水田、畑などに利用されます。話し合いで、共同耕作地、個人耕作地、放置地などになっているようです。「いろんな人がいるね~」ということで、悪いことではないのですが、耕作地ごとに眺めて行って、植生による緑のまばらさ、高さの違い、色彩とそのグラデーションなどを楽しみながら、復興であっても、話をまとめたり、何かを一緒に実施することの困難さに思い至った瞬間でした。
また、里芋は水好きなので、酷暑で少雨の今年は不作だけれど、逆に長雨の日照不足でお米なんかがダメな時には、大きく育つのよと、両手を丸く広げました、そんなに??。
向日葵は、種を集めて油を搾るため。桜の苗は、復興事業の道路工事が落ち着いたら街道沿いの目立つところに移植する仮植えです、など夢のあるお話も伺えました。
たつ子さんのご自宅で、そうめんをご馳走になりながら、震災で親族をなくされた方が、毎朝歩いて慰霊碑にお参りし、水をまいたり掃き清めたりお花を生けたりしていると。慰霊碑周りを整備した慶応のプロジェクトには感謝しているとおっしゃっていた、などと伺うと、今朝お参りした時の慰霊碑の清澄でしっとりとした佇まいを想う中で、まだまだ深い悲しみとともに生きておられる方々のことを思わずにはいられませんでした。
午後は、ポータルセンターで、高長さんこと高橋長泰さんの、防災についてのレクチャーを期のメンバーたちと受けました。『志津川小学校避難所』にまとめられた実経験に裏打ちされた「これから」の防災への思い、メッセージからは、多くにヒントを得られました。
膨大な情報と物資を持つ行政とのアンマッチ、タイムラグなどについて、訓練された意識の高い地元の現場を普段から育てて、裁量を持たせて任せることを急務と感じています。
たつ子さん、高長さん、ありがとうございました。極暑も何のその、多彩な活動でいろんな事が経験できたし、考えるヒントももらえました。皆さんありがとうございました。
